2016年2月28日日曜日

仕事に疲れた人へ・・・

大手CDショップを辞めたときの話。

一番忙しい売場に異動になって頭がおかしくなりミスを連発。
こりゃもう耐え切らんと病院行って診断書もらって辞めました。

その後2週間ほど家から出られず。

そんな状態で音楽など聴けるわけもなく、
部屋を真っ暗にして無音のまま息を潜めてる日々。

その後、少し体調が良くなってきて音楽を聴けるようになったのですが、
よく聴いてるハードロックやヘヴィメタルなどは聴けず、
ずっとボサノヴァを聴いてました。

そう、音楽の好みは気分次第。
何でも良いのです。

「精神的にちょっとアレだなー」と思ったときは優しい音楽を聴くと良いです。


なので今回は仕事に疲れた人へオススメするCDです。
ベタなの入れますが、入門ってことで。


Antonio Carlos Jobim / Wave

ボサノヴァの基本中の基本のアルバムですね。
で、これがホント耳に優しいんです。
ピアノ、フルート、それぞれの楽器の音色に優しく包まれます。
ここからボサノヴァの世界に足を踏み入れていろいろ聴いていただきたいですねー。



Bill Evans / You must believe in spring

ちょいとメランコリーな気分に浸りたい方へ。
①は妻へ、④は兄への追悼曲。
なので暗いアルバムなのかなぁと思いきや、明るさも感じるのです。
死や悲しみを達観した境地と言いましょうか。
悲しいことがあったら泣いても良いんだよ。
エヴァンスのピアノはやはり心に沁みます。


OST / The harder they come


ゆったりと元気になりたい方へ。
ジミー・クリフ主演映画のサントラです。
レゲエ、レゲエの前身=ロック・ステディの名曲だらけ。
ジミー・クリフの底抜けに明るい曲には元気が出ます。
私の大好きなトゥーツ&ザ・メイタルズの曲もあります。
これも元気がでるんですよー。
レゲエ入門にもオススメですよ。



音楽に助けられるときってあるんですよ。
精神的に疲れたときはいつも聴いてる音楽と
違うのを聴いてみるのも良いですよ。

2016年2月21日日曜日

働いていた当時に感じていたこと(アゲイン)

CD屋で働いていた当時のことを思い出しつつ。
CD屋辞めてから半年経ってるので現状とはちょっと変わってるかも。


注:超個人的な見解です。


私の中でお客さんの種類は大きく分けて3つ。

①J-POPと一部のK-POP
メジャー(すなわち大手レコード会社)からリリースされているCDを買う層。
音楽そのものよりも、タレント性を求めていると思われる。
固定のファン層がずっとCDを買い続けてるのは、サザン、福山、B'Z、GLAYなど。
アイドルとK-POPはイベ券目当ての人が多数。
日本人(あるいは韓国人)が歌って踊ってるという枠からは絶対に出ない。

K-POPが日本で流行る前は音楽性が高くて良いと思ってたんだけどなぁ・・・
日本語歌詞、日本オリジナル曲がダサくて・・・
輸入盤は良いんですけどねぇ。

②いろんなジャンル
ジャンルにどっぷり浸かってるか、そのジャンルにハマりたての人は他の音楽を排斥する。
その人も音楽は好きなんだろうけど、そのジャンル以外の音を受け付けない。
アイドル、ジャニーズ、ビートルズ、メタル、ジャズ、クラシック、プログレ、V系、
あとサマフェス系のを聴いてる人にその傾向がある。
こじらせると死ぬまでその音楽しか聴かない。

③それ以外の音楽好き。
手当たり次第気になったものを聴く。
広く浅く、でもしっかりと聴く。
柔軟性とこだわりのバランスが奇妙。
②だったけど、途中で何かに気付いた人。


どの聴き方が正しいというものではありません。
音楽はどのように楽しんで良いものです。
他者とのコミュニケーションツールでも良いですし、
自分の聴きたいものをひたすら聴くのも、
いろんなジャンルに手を出して見聞を広めるのも、
楽しければ何でも良いのです。


さて、音楽産業での売上のほとんどはもちろん①。
イベ券で何枚も同じCDを買う人も含めて。
ジャニーズの限定盤は再販することが無いから足が速いですね。

洋楽の売上なんてもう酷いもんですよ。
1D、テイラー・スウィフト、アリアナ・グランデ、カーリー・レイ・ジェプセン・・・
それくらいしか売れないです。

で、売れる商品は決まっているってのはオリコンを見ればわかるでしょう。
でもシングルは2週間、アルバムは1ヶ月程度で売れなくなるんです。
その後は置いてあるだけ。
全く売れず、次の商品を待つ状態です。
だからJ-POP売場はどこもパンパン。

バカでかい限定BOXが売れ残ったときは悲惨です。

長い期間売れるのはベスト盤。
有名どころのベスト盤は売れ続けるけれども、
それ以外の新譜は売れない。

昔の作品が売れるのってミスチル、ホルモン、Perfume、バンプあたり。
セカオワ、ワンオクなど、今注目されてるバンドは旧譜も売れるけど、
その注目が無くなったら売れなくなります(そりゃそうだ)。


さて、①以外はどうなるかと言いますと、ある程度形にするのみです。
今のCD屋の人件費のケチりぶりから、
J-POPの売れ線以外に人員を割けない状態です。
なので、アップアップしながらJ-POPの仕事を片付けつつ、
何とかある程度形にするくらいしか手を付けられてない店がほとんど。

1日にこなさなければならない仕事があるんですが、
それを片付けられるほど人員が居ない店がほとんどですねぇ。

だから洋楽のコーナーも満足に作れない状態です。
デヴィッド・ボウイの追悼コーナーは頑張ってるけど、
グレン・フライは紙っぺらが1枚あるだけ・・・
洋楽知識のある店員も減ってますしねぇ。
イーグルスがどれだけのバンドか知らない人が多いです。

一部のジャンルを頑張ってる店は一部の店員が命を削って作ってるので、
そのジャンルのファンの方は是非足を運んであげてください。
売上取れたら、その店員がまず喜ぶし、コーナーの継続、拡大にもなりますからね。
大げさで無く、死に掛けて作ってるところもありますからね。


1,2週間で売れなくなるシングルや、
値下げしたって売れない商品のキャンペーンに時間を取られて、
まともに売場を作れない所がほとんどです。

私が関わってた店ではないのですが、
とある大手のCD屋に行ったときは愕然としましたね・・・
「こんなに商品が揃わなくなっちゃったんだ」と。
こんな所でワールドミュージック買うか、バカヤロウと吐き捨てて帰りましたもん。


世界でCD屋が無くなってるのに、日本だけは継続してる。
でも、利権のために無理矢理大手が続けてる感は否めないですねぇ・・・
テレビに出てるタレントのグッズを売ってる感覚でした。
大手のゴリ押しで続けてるCD産業は、もう終わりが近いでしょう・・・


でもね、音楽産業自体が無くなったって音楽が無くなることは無いのです。
原始の時代から音楽ってのは存在してるんですから、
たかだか数十年で全部が無くなるなんてことはありません。


聴き方、商売のやり方が変わるのです。


・・・どう変わるんじゃろうねぇ?
その辺の推測(妄想)も書きたいですが、それは次回以降で。

2016年2月11日木曜日

いろいろ思い出す & また愚痴

CD屋辞めてもう半年経つんだぁ。

大手2ヶ所、ビルに入ってるCD屋1ヶ所を渡り歩いたのも昔。
(その前にレンタル屋で働いてたのも含めると10年以上)

ビルに入ってるCD屋で仕事してた時が一番楽しかったなぁ。
好き勝手できたもの。

当時、独自に仕入れたり、メーカーさんと共謀して売ったものを思い出してみる。

VA / Late Night Jazz

以前もこのブログで紹介したヤツ。
「このCDで一杯やりません?」のキャッチが好評だったんだよなぁ。
ジャズ知らないけど雰囲気に浸りたいという方にかなりオススメです。



Omar Souleyman / Highway to Hassake : Folk & Pop Sounds of Syria

大手で働いてた時に同僚に勧められたヤツ。
ビョークやデーモン・アルバーンが注目し始めて、
ヨーロッパツアーまでやるようになり、
その後の新譜がまさかの国内盤リリース。

キャッチどんなん付けたっけなぁ・・・?
「謎の電子音」は入れた気がする。



Blackguard / Firefght



メーカーさんのイチオシでポスターまでもらったなぁ。
実にメロデスらしいメロデスで久々に「メロデス聴いたわー」ってなった。
チルボド、アーク・エネミー、イン・フレイムスが90年代後半にリリースがあって、
当時はメロデスブームっぽくなってたけど、
今はそれぞれ違う音になってるんですよねぇ。
当時のメロデスが聴きたければオススメです。

(アーチ・エネミーって今は表記されてるけど、アーク・エネミーって言ってます。
 私の中ではクリーターもクリエイターです。)



このころは自分で仕入れて、自分でキャッチ書いて売ってた。
半年前に辞めたところでは全く自由が無かったもんなぁ。

「CD屋が音楽を提案しなくてどうする?」ってずっと思ってたんですよ。
音楽を聴く人を増やさなければ、買う人がいなくなりますからねぇ。
大手メディアのゴリ押しで売ってる音楽しか買わない人だけに商売をやってる状態です。

「自分で音楽を探したい」という人が楽しめる売場を作ることが、
CD屋が生き延びられる道だと思うんだけどなぁ・・・
そういう仕事ができる人たちがどんどん居なくなってるのがCD屋の現状。
古巣に行くと「あのバイヤーさん辞めちゃったよ」とかそういう声ばっか。

まぁ商売としては即時に売上が取れる商品に注力して、
ほかは削っていくってのは間違ってはいないんだけどね。
でも、その売上取れる商材ってのが2週間で売れなくなるものばっか。
棚に置いてあっても1ヶ月経ったら売れない。
そんな商品で溢れかえってるCD屋なんて面白くないでしょうよ。

売れるのはベスト盤ばっかだから、
大手メーカーもベスト盤ばっかリリースするし。
もうアルバム売るなよって思うわ。


本当にみんな、音楽が好きかい?
「自分の好きな音楽はコレだ!」ってのを持ってるかい?


・・・私は持ってないなぁ。
でも音楽は好きだ。

まぁ人それぞれだわね。

「好きだ!」って思った音楽があったら掘り下げてみよう!
新しい世界が広がるぞ!
さぁ聴け!とにかく聴くんだ!

2016年2月5日金曜日

訃報多すぎ!しかし、音楽を聴くきっかけにはなる。

アース・ウィンド・アンド・ファイヤーのモーリス・ホワイトが亡くなった・・・


訃報多すぎやしませんか?

年末のレミー、ナタリー・コール。
年明けにポール・ブレイ。
現代音楽のブーレーズ。
ソウルシンガーのオーティス・クレイ。

10日にはあのデビッド・ボウイ。
17日はモット・ザ・フープルのデイル・グリフィン。
グラムロックから二人も・・・

翌日にはイーグルスのグレン・フライ。

そして2/3にモーリス・ホワイトが亡くなっていたという・・・


6,70年代が一気に終わろうとしている感。


そこでだ。
若い世代にはこれをきっかけに彼らの音楽を聴いてもらいたいのよ。

CD屋をやってた頃にマイコーが亡くなった。
で、『ライブ・イン・ブカレスト』を店頭販売したらすごく売れたのよ。

時代が時代なので本人が亡くなってから知るってことが多いんじゃないかなぁ。

僕も手塚治虫が亡くなってから『火の鳥』読んだし。



「死人で商売すんのか?」って思うかもしれないけれども、
Youtubeとかで聴くきっかけにはして欲しい。

彼らが作り上げた音楽が、いかに現在まで生き続いているのかを知って欲しい。


僕は「死人で商売するのか?」って思ってるので
アフィリンクは貼らないけど。
検索はして欲しいです。