2015年12月29日火曜日

現人神が本物の神になった - レミー・キルミスター

24日に70歳の誕生日を祝ったばかりだったのに・・・


ロックの価値観なんて千差万別ですが、
私は「ロックとは何か?」の問いに
「MotorheadとAC/DCを聴けばわかる」と答えていました。

1975年から2015年まで40年。
理屈無しにでかい音でロックをやり続けた
Motoerheadこそロックでしょう。

「ごちゃごちゃ言ってねぇで聴けばいいんだよ!」
Motorheadのどのアルバムからもそんなメッセージが聞こえてきます。

今頃は神をジャックダニエルの瓶でぶん殴って、
地獄の悪魔どもにロックを聴かせていることでしょう。

「安らかに」とは言いません。
先に行ったフィルとまたコンビ組んで、
ジミヘンやジェフ・ハンネマン、ダイムバッグ・ダレルなどと競演して、
クソうるせぇロックンロールをやり続けてください。


映画「ハードロックハイジャック」の台詞より。



「レミーと神がケンカした。勝ったのはどっちだ?」



「レミーが神だ」

2015年12月15日火曜日

Beginners Guide to Asia


母が中国の古琴のCDについてあれこれ聞いてきたので、
久しぶりにアジアな音楽を聴こうと思って引っ張り出したのがこれです。

Disc.1は伝統的な音楽
Disc.2は近代
Disc.3は現代
そんな感じに分けられたワールドミュージック初心者にオススメなCDです。

日本の曲も入ってまして、
初代米川敏子の『六段』、
「沖縄のジミヘン」こと登川誠仁、
戦前歌謡代表で淡谷のりこ、
戦後歌謡は笠置シヅ子、
アイヌの楽器「ムックリ」とダブを掛け合わせたOki Dub Ainu Band、
ブルーグラスを三味線で演奏する国本武春。

日本の音楽ではないですが、
久保田麻琴のBlue Asia。
日本人ではないですが琉球アンダーグラウンドの曲も入ってます。


カンボジア内戦前の黄金時代に作られた楽曲。
それを引き継いだアメリカのバンド=Dengue Fever。

グンデンビリーン・ヤヴガーンのホーミーもあり、
元パンクバンドでモンゴル伝統楽器を演奏する
内モンゴル自治区のバンド=Hanggaiもある。

最近、Googleのトップページになって、
ワールドミュージックファンの中で話題になった、
ヌスラト・ファテー・アリー・ハーンの曲も入ってます。

伝統的なガムラン、70年代に生まれたポップスンダ、
現代にジャイポンガンをやってるバンド。
インドネシアの音楽だけ取り上げても歴史を楽しめます。


アジアの音楽に興味が出たけど、
何を買っていいかわからないって時はとりあえずこのCDです!

2015年12月8日火曜日

12/8なので

音楽ファンにとっては特別な日です。



ロックンロールから始まり、様々な表現を追及していき、
ロックの可能性を広げていった"ジョン・レノン"



ジョアン・ジルベルトと共にショーロやサンバを取り入れ
新たな音楽ボサノヴァを創造した"アントニオ・カルロス・ジョビン"



ヘヴィメタルにグルーヴを取り入れメタルの概念を変えた
パンテラのギタリスト"ダイムバッグ・ダレル"



この3人が亡くなった日なんです。


現在ある音楽はこの人たちが居なかったら存在しなかったかもしれない。
そんなことを考えてしまう1日なのです。



ちなみに、誕生日もすごいんです。

シベリウス


ジミー・スミス


ジム・モリソン


増崎孝司


マーティ・フリードマン


グレッグ・ハウ


シンニード・オコーナー(wikiではシネイド・オコナーって表記なんですね)


コリィ・テイラー



シュラプネル系ギタリストが2人生まれてる・・・
ね、12/8って音楽についていろいろ考えるでしょ?
こんなことがきっかけで聴いてみるのも良いと思ってます。



私、アイマスPなのでこちらも是非。
渋谷系サウンドで超プリティなポップサウンドです。

『十時愛梨 / アップルパイ・プリンセス』


アイマス曲は舐めてはいけませんよ!
かなりトリッキーなサウンドが飛び出してくることがあります!

2015年12月3日木曜日

クリスマス商戦

12月です!
ハロウィンが終わったらどこもクリスマス商戦ですね。

毎年おんなじような商品が並びます。
ヤマタツ、竹内まりや、マライヤ・キャリー、ワム・・・


はっきり言います。



「つまらん!!」



そこいら中でかかってる「ラースクリスマスアゲブマハー」。
84年リリースだぞ!
マライヤのクリスマスアルバムはその10年後の94年リリース。


他に無いのか!?


というわけで、新たなクリスマス商材を考えてみよう!
(この流れはアニメ『てさぐれ!部活もの』)





まずオススメしたいのはスタンダードなクリスマスナンバーが並んでますこちら
『クリスマス・イン・バリ』


 両鼻に小さな笛を突っ込んで演奏するクリスマスソングが脱力させてくれます!
リンディックというバリの木琴も良い感じ。
派手さはありませんがまったりできる一枚です。


続いてはこちら、クリスマスのスタンダードナンバーを日本の有名歌手が歌ってます!
『昭和クリスマス What A Fantastic Night!』


 個人的にツボなのは弘田三枝子、舟木一夫、美空ひばりなど
それぞれの「ジングル・ベル」が聴き比べできることですね。
美空ひばりのは昭和28年のものです。
後半の英語詞がすげぇかっこいいです。



毎年思っていることなのですが、
ハードロックファンがクリスマスに何故このアルバムを挙げないのか?

『AC/DC / Razor's Edge』


⑤はクリスマスソングですよ。
さては①②ばっかり聴いてるなー?
アルバムの内容は「AC/DC」です。
これ以外にAC/DCのアルバムを説明できます?



さて、映像もオススメしましょうか。
クリスマスに見たい映画と言えばこれですよね?

『悪魔のサンタクロース2 鮮血のメリークリスマス』



某動画サイトでは「カルピスDay」でおなじみのヤツです。
あ、新品無いっぽい・・・
まぁいいや。


本気でオススメなのはこれ↓
『アウターゾーン 2巻』


「わしはサンタじゃ!」が収録されている巻です。
この話が大好きで・・・
『世にも不思議なアメージングストーリー』のサンタ回と並ぶ名作です。



クリスマスの楽しみ方も人それぞれ。
だいたい私の周りにいる人は独りで過ごす方が多いので
ソロなチョイスになっております。

なぜなら私もソロだからだよ!

今年のクリスマスは『悪魔のサンタクロース』観て、
ブラックサバス聴いてすごす!

あ、12/24はモーターヘッドのレミー70歳おめでとうの日で、
25日はジェームス・ブラウンがソウルファンクの国へ旅立った日です。
そっちで楽しむのもありですね。

というわけで
「レッツ・ハルマゲドン!」

2015年11月28日土曜日

破壊 『The ムッシュビ♂ト / 彼氏のマストアイテム』

音楽において破壊と創造を繰り返した人物といえば?

私は"マイルス・デイヴィス"を挙げます。



マイルス・デイヴィスに関しては
本当に詳しい人の解説を見た方が良いと思いますのでここでは簡単に。

チャーリー・パーカーの元でプレイしてたビバップ。
自ら生み出したクール。
電子楽器を積極的に取り込んでいったファンク。
晩年のポップス。

ファンが追いつけず、評論家は批判しまくりだった制作の姿勢。
これこそが近代の芸術における「固定概念の破壊」だと思われます。


物理的な破壊。

これはThe Whoでしょう。



プライベートでもホテルを破壊しまくったドラマーのキース・ムーン。
その後ホテルの破壊はロックミュージシャンの証のようになってしまい、
エアロスミスの延長コードつなげてテレビをプールに投げるなどの
伝統芸が生まれていきました。
極めつけはハナタラシの「ユンボでライブハウスの壁を破壊」でしょう。


音楽産業の破壊。

これを試みた人物はジョニー・ロットン(現・ジョン・ライドン)



 しかしパンクというフォロワーを生み出してしまい、
自身の考えとは全く違った方向に進んでいきました。

(そういや、EMIは本当にGood Byeになってしまったなぁ・・・)




そしてThe ムッシュビ♂ト。

彼はスカムな青年だったのですが、
あるバンドのパフォーマンスを見て
「ライブハウスで全裸になっても普通だな」と思い、
新たな音楽を探し始める。
そこで見つけたのは・・・

ポップス!


最新作『彼氏のマストアイテム』より↓
https://soundcloud.com/monsiurbeat/funkyfight


繊細さと反逆心を詰め込んだポップス!
自身の音楽的影響を総動員して作りこんだポップス!
世に溢れるポップス好きからは絶対に支持されないであろうポップス!
そのむせかえるような暑苦しい情熱を詰め込んだポップス!

「他人なんて知ったこっちゃねぇ、俺はやりたい音楽をやるんだ!」
そんな熱意が伝わる音楽。
でも本人はチヤホヤされたい!
決意と迷いが交差した本人!

いや、それで良いんだよ!

世界中に音楽が溢れる昨今で、
自分らしさを証明するには迷いや決断を繰り返さねばならない。
それが正直に表れている音楽なんて最高じゃないか?

The ムッシュビ♂トは迷いながら音楽に立ち向かっていくのであろう・・・
ガンバレ、The ムッシュビ♂ト!
君には星空凛ちゃんがいる!



The ムッシュビ♂トのページはこちら↓
http://monsiurbeat.jimdo.com/
ここでアルバム買えます。


アマゾンのアフィリンク貼るブログなのに、本題の商品が扱い無いという。
前作はアマゾンにもあります↓

2015年11月16日月曜日

迷われレコード 『山岡迷子 / ユウタイサンセット』

山岡迷子氏が個人的に音楽を発表してた場所。
今はいろんな音楽で溢れかえっている【迷われレコード

良い意味で「バラエティ豊か」
悪い意味で「節操の無い」

そんなレーベルです。
だからいろんな音楽を聴いてる人間にとっては
掘っても掘っても何が出てくるか分からない面白い場所なんです。

このブログで紹介しているデプQくんからの記事は
全て迷われレコードからリリースされているものなので、
そのバラエティ豊かぶりは分かると思われます。

そして今回ついに山岡迷子氏本人のCDを紹介するわけなのですが・・・
「山岡迷子の音楽の集大成!」とあるだけあって
迷われレコードを象徴する一枚なのです。


つまり「一言で説明できない」


とりあえずクロスフェードをば↓

山岡迷子『ユウタイサンセット』



ほらね。

ポップス、アンビエント、ポストロック、ポストパンク、フォークトロニカ、ノイズ・・・
いろんな要素が交じり合って出来ているアルバムなのです。

理屈で聴こうとすると音楽の要素が見えて楽しい。
感覚で聴こうとすると心地よさに包まれる。

でも、どこかひねくれてる。

この記事を書くのにアルバムを何回も聴いたのですけど、
聴くごとに印象が違うのでどこを切り取るか困りました。

(いつも記事でやっている関連するCDのリンクもどうしようかと思いました。
 いろいろ考えましたが何か違うと思うものばかりなので今回は無し!)

もう全体像でいいや。
まさに『ユウタイサンセット』なんですよ。
捕らえることはできないけれどもそこに存在する。
聴いた後は満足感と心地よさに包まれる。
タイトル通りの名作なのです。




さて、迷われレコードからリリースされているCDの紹介はひとまず終了。
これからもっといろいろな音楽を紹介していきますよー。

「広く、浅く、ミーハーに」をモットーに書いていきます。

2015年11月5日木曜日

渋谷系の憧憬 『caro kissa / caro kissa×××』

十何年前、CD屋で働く前はレンタル屋にいました。
そのころはメタルからハードロックへルーツを辿ってた時だったのですが、
私がテクノポップっぽい音楽が好きだと認識できたアルバムに出会いました。

capsule / Sugarless GiRL


Perfume / Perfume ~Complete Best~

どっちも中田ヤスタカですね。
初めて"Starry Sky""エレクトロ・ワールド"を聴いた衝撃たるや。

でもよく考えたら元々ゲームミュージックが好きだったので
打ち込みの音楽が好きで当然だったんですよね。
気付くのが遅かった。


そしてPerumeの"ポリリズム"の大ヒット。

その時に感じたこと。
「ようやくレコード会社の押し売りが終わるかも」



・・・終わってないですね。



レコード会社は

「ニーズを作り出し、それを流通させる」

という販売戦略を今も取り続けていると感じています。

そこには音楽好きのリスナーの意見など無く、
ただただ消費されるだけのポップスが乱造されている。
見た目、キャラクター、話題性だけの音楽。

昔はそれで売上が取れていて、
その売上を音楽好き向けのCDの販売に遣われたりしていたのですが、
最近は全く売れないので音楽好き向けのものが出ない。

昔、レコード会社の営業さんと話したときに
「どこに広告打って良いのか全くわかんないんですよ」
というボヤキを聞きましたねー。

今は音楽を聴くきっかけがテレビやラジオに限定されていないので、
どこでアピールしても昔ほどの効果が出ないんでしょうね。
(音楽を聴くきっかけを奪っているのはどこのどいつだ)

ネットの宇宙で一個の星で看板出してても
宇宙船が下りてくる確立ってどんなもんでしょう。

メジャーもインディーズもこれで困ってるんですよね。



販売関連の話はこれくらいにして、
中田ヤスタカですよ。

Perfume、きゃりーぱみゅぱみゅのヒットには

「音楽でファンへの裏切りが無い」

ことが一番重要だと思ってるんです。

Perfumeは初期の音楽とだいぶ変化し続けていますが、
最近出ている曲も十分満足できる内容だと思ってます。
"エレクトロ・ワールド"からPerfumeを聴いている私でも
2013年リリースの"未来のミュージアム""Sweet Refrain"には驚かされました。


中田ヤスタカのルーツを辿れば出てくるワードが『渋谷系』です。


グラムロックみたいに明確な定義が無いので音楽的にどうこうではないのですが、
日本のナイアガラサウンドやニューウェーブなどの前時代ポップス、
R&B、ラウンジ名盤へのリスペクトが形になったムーブメントだったと思ってます。

つまりは音楽好きによる音楽好きのための音楽ムーブメントがあったということです。


しかし、渋谷系は一般的なライトユーザーへほとんど向けられず、
大きなメディアではあまり取り上げられなかったと思われます。
小学生か中学生だった私にはオザケンくらいしか当時の記憶が無いんですよね。

大手は音楽好きを無視して消耗品音楽の販売経路を作り続けたということだと思ってます。
音楽好きを無視し続けた結果が現在の音楽シーンだと思われます。

最近になってPerfumeやきゃりーぱみゅぱみゅを売っても遅いよ。
ラウンジ、ナイアガラ、テクノポップへのニーズはずっとあり続けたのに、
ずっと無視し続けてキャラクターとイベント券と特典だけで
音楽を売り続けてたらそりゃ売れなくなるよ。



で、ここまで読んで「そうだ!そうだ!」と思ってくれた方がいたら(思ってくれなくても)
オススメしたいCDがこちらでございます(前フリが長すぎた・・・)

Caro kissa ×××


caro kissaさんの記事を書くなら『渋谷系』ってワードは外せないなぁと思いまして。

伸びやかなsunachuさんのVo。
ベースラインだけでも十分聞けるtakahiroさんのプレイ。
聴いててAOR、ナイアガラサウンド、ピチカート、といった
キーワードが次々と浮かんできまして、
それが一つの音楽性に結実している音楽好きを満足させられるポップス!
かゆい所に手が届くサウンドなんですよ。

こちらも聴いていただきたいのです↓

Perfect dream EP

http://anotraks.bandcamp.com/album/perfect-dream-ep



デプQくんのCDでも感じたことなんですが、



「こういうCDを売りたい!」



そう思わせてくれるサウンドってのは必ず存在するんですよ。
探さなければ手に入らない。
目の前に出てきた情報だけで満足してたら手に入らないですよ。
ネットの宇宙は広いんですから。


2015年10月18日日曜日

音楽が空気を変える 『虚夢 / 彼方にいる・・・?』

子供の頃、押入れに入るのが好きでした。 真っ暗で暖かくて心地よかったんですよね。
しかし、いとこに押入れにまつわる怖い話を聞かされてから
押入れが恐怖の対象となってしまい、入れなくなってしまいましたとさ。

流石に大人なのでもう押入れには入りませんが、
耳栓付けて暗い部屋でじっとしてみたりします。
やっぱり心地良いんですよね、暗闇って。
静かで何も無い空間。
その何も無さが気持ち良いんです。


さて、今回取り上げるのは

虚夢『彼方にいる・・・?』



迷われレコードからリリースされたダークアンビエント作品です。
②がブラックメタルのカバーなのでメタル的なアプローチがあるかと
思いきやそんなことは無いです。
ポストブラックメタルのような静かな空気感はありますが、
元々がメタルのそれとはやはり違います。

Burzumのアルバムはこれ↓




記事の始めに書いた暗闇の心地良さ。
このアルバムから感じられるのはまさにそれです。
スピーカーから流れるのは暗闇の静けさ。
空間が闇に包まれる感覚です。
目を瞑り、耳を澄ませ、じっとしながら・・・
暗闇がもたらす不安感もありつつ、それが心地良さにもなる。

「静けさを聴く」ってなかなか不思議な感じですが、
聴けばなるほどと思ってもらえるはずです。
(とりあえず聴いてみ、といういつものヤツ)


映画のサウンドトラックのように音楽は空気を変えます。

虚夢さんのアルバムを聴いてまず思い出したアルバムがこちら↓

 
フランス人シンセサイザー奏者のジャン・ミッシェル・ジャールの『幻想惑星』です。
原題は『Oxygene』=「酸素」です。
未来感溢れる幻想的な空気です。
ポップで聴き易いアルバムなのでこちらもオススメ。


もう1枚はこれ↓


 タンジェリン・ドリームのリーダー=エドガー・フローゼのソロアルバムです。
タイトル曲の『Aqua』は水の音とシンセが融合した作品です。
シンセがピョコピョコ、ポッピョピョピョピョしてます。
涼しげな空気を感じられます。


ボサノヴァ聴いたら涼しくなる、
メタル聴いたら暑苦しい、
イーストコーストなヒップホップでアーバン、
なんていう風に雰囲気を楽しむ聴き方も楽しいです。

メロディを耳で追う、
リズムに身をまかせる、
理屈で聴く、
いろんな楽しみ方があるのが音楽ですが、
とりあえず雰囲気で聴いてみるのもオススメです。
楽しみ方は人それぞれ。
敷居なんてないんです。


最近、虚夢さんのアルバムを部屋真っ暗にして聴いてることが多いです。
リラックスできるんですが、
「こんな暗闇にばっか居て大丈夫かな?」とも思います。
明日、妖怪になってるかもしれません。

2015年10月11日日曜日

歪みにかき回されよう KISS THE BURNER / GRID

歪み。
ディストーション。

と聴くと真っ先に思い浮かべる人物。



ジミ・ヘンドリックス



歪ませたサウンドを大音量で演奏するギタリストの先駆けです。
あまりに有名な人物なのであんまり説明する気無い。

↓とにかく聴けって。




ジミヘン以前、歪みはどのように使われていたのか?
歪み=ノイズであったので、それを使おうというのは
ノイズをそのまま音楽の一部とする
前衛音楽の世界くらいだったのではないかと思われます。

ピエール・シェフェールによる「ミュージック・コンクレート」
カールハインツ・シュトックハウゼンなどによる電子音楽の研究など。

↓そういうのがまとまったコンピ。
    バーナード・ハーマンの『地球の静止する日』のタイトル曲や、
  シュトックハウゼンの『少年の歌(Gesang Der Jünglinge』も収録されてます。
  現代音楽入門、電子音楽のルーツを辿るのに良いコンピだと思います。



そう考えるとディストーションのルーツはロックに限ったことではないのですねー。
ジャズでもフリージャズではノイジーな「フリーキー・トーン」も使われてますし。
(あの「キュイー!」みたいなサックスの悲鳴みたいなヤツね。)

↓「フリーキー・トーン」で思い出したミュージシャン。
  後期のジョン・コルトレーンにも影響を与えているフリージャズ名盤。



歪みの話で始まりましたが、
『迷われレコード』からのリリースCDの記事、第3弾。

KISS THE BURNER『GRID』



空を飛びながら疾走するアシッドサウンド!
歪みながらもキャッチーさも感じさせる①②、
ヘヴィなリフでゴリゴリ来る私のお気に入りのタイトル曲③など。
ノイジーなエレクトロニックサウンドが知覚の扉を開きます!

ノイズ、歪み、
現代では様々な使われ方をしてます。
歪みだけをキーワードにしても音楽をさかのぼることができるんですよ。
掘ればいろんなもんが出てきます。

キスバナさんのアルバムで「うわぁかっけぇ!」ってなったら、
「かっけぇ」と感じた何かを求めて掘り返してみたりするのをオススメします。
そうすれば自ずと自分の好みってのがわかってきますよ。



私はいまだによく分かってませんけど。
いろいろ聴いてるけど、自分の好みがよくわからん。

↓とにかくかっけぇから聴けって!

2015年10月10日土曜日

壁を作るな!何でも聴こうぜ! 『Dubb parade / Selected Works』

私は元々メタル野郎でした。
18の頃Iron MaidenのCDをジャケ買いし、
「メタル以外の音楽はクズ」って言ってた痛い子でした。

↓アホなソミス青年を洋楽の世界に誘い、人生を変えた素晴らしい作品


そして今。
なんと記事を書こうとしているのがDubb Paradeさん。

"ゴルジェ""ジューク/フットワーク"

Dubb Paradeさんの音楽を聴かなかったら、
一生知らないでいた言葉でしょう。

で、正直、エレクトロニックな音楽から縁遠い人間なので、
細かいジャンルがいろいろあるけど違いがよくわからんのです。


「そんなんでよく記事を書こうと思ったな!」

私もそう思います。
でもねぇ、かっこいいと思っちゃったんだからしょうがないでしょ。


私は「音楽の好みと食べ物の好みは同じ」だと思っています。
なので食べ物を口に入れるまで味が分からないのと同じく、
音楽も耳に入れるまでは好きか嫌いか分からないのです。

「よくわかんねぇ国の料理だけどうめぇ!」
=自分の聴いてる範囲の音楽以外のところを聞いてみたら良かった。

そんな感じで自分の中に壁を作らずにいろいろ聴いてる方が幸せなんだと思うのです。


というわけで本題のDubb Paradeさんです。

Dubb Parade『Selected Works』


自分の知らないジャンルを言葉で表すのはホント難しいと己の無知を呪いつつ。

何で、何も知らない私がこのサウンドが気に入ったのかなーと考えてみると、
原因は『リッジレーサー』にあると見た!


特にリッジ4のサントラがアーバンで渋い音でかっけぇんですよ。
リッジシリーズのサントラは93年の時点で日本になじみの無かった
ロッテルダムテクノを取り入れたりして先鋭的なんです。

Dubb Paradeさんのアルバムにも
浮遊する疾走感、陶酔感はリッジのサントラで感じたかっこよさなので、
自分のアンテナに同様のものを感じたのでしょう。
アーバンな匂いも醸しつつ、力強いトライバルなビートも感じさせつつの
①②はお気に入りです。


この記事宣伝として大丈夫なのかと思いつつ、
自身の音楽の垣根を越えていろいろと聴く人が増えることを祈ります。
いや、増えろ!

あと、Dubb Paradeさん、オススメのアルバム教えてください。



今回の記事は他力本願だなー。
まぁ音楽好きが増えることが目的だし、
知識なんか無くても音楽は楽しめるんだぜっていう
指針みたいになれたら良いなぁって願望。
うん、言い訳だ。

2015年10月7日水曜日

このブログを始めるきっかけとなったこと 『depthqueuing / For my adolescence』

私はインターネットラジオ『ねとらじ』でDJをやってます。

そこでの縁で『迷われレコード』というネットレーベルの主催者である
"山岡迷子"さんと知り合いました。

山岡さんとのやり取りでレーベルからのCDリリースの話になり、
試しに聴いてみた曲がこちらでした↓

depthqueuing / dawn


いや、衝撃でしたね。
良い音楽を聴けた喜びと同時に
「これだけのクオリティの音楽が何で出回ってないんだ!」と憤りを感じたものです。

ピアノが効いてる音楽が好きなもので、
私のツボにバッチリ食い込んだのです。
アーバンな雰囲気と孤独感のようなものを醸し出すサウンドにやられてしまったのです。

山岡さんに「これイケるよ!」と速攻で返事を返したことが
迷われレコードからCDリリースをするきっかけになったと本人から聞きました。

「これで売れなかったら俺のせいになるな・・・」
という恐怖感に殺されかけたので、
とにかく宣伝しまくろうと思ったのです。

そして、待ちに待った(本当はかなりビビってた)depthqueuingさんのリリース。
クロスフェードデモがあるのでとにかく聴いてみて下さい↓

depthqueuing『For My Adolescence』


「こりゃまたすげぇクオリティのアルバムを出したな」と脱帽しましたよ。
普段は打ち込み主体のサウンドなのですが、
このアルバムではバンドサウンド。
なので先に紹介した『dawn』とは違う方向なのですが、
これがまた私のツボに入りました。

①でしっとりと始まったと思いきや②の疾走チューン!
サウンドから醸し出されるエモーションが心を抉ってきます!
私のイチオシ③はどこを聴いても満足できる百点の出来!
ピアノ、ベース好きの私にはたまらんのですよ。

このアルバムに収録されてる『dawn』はバージョン違いなので、
動画の『dawn』と聴き比べて欲しいです。


私がこのアルバムを聴いて思ったこと。


「このクオリティのアルバムが売れん音楽産業は終わってる」


本気で思いました。
これだけのクオリティのサウンドを作り出せるミュージシャンを
ほったらかしにしてることは問題だと。

バンドの名前かメンバーのツラで音楽を聴いた気になっている
"自称音楽好き"だらけの状況。
音楽産業がリスナーの耳を育ててこなかったツケが回ってきているのだなと。
本当に売れてるのは缶バッジやTシャツであって音楽ではないのだなと。
私自身の勝手な思い込みではありますが、そう感じたのです。


そしてもう一つ感じたことは、


「ネットから発信される音楽に出会う確立の低さ」


です。
自分から探しに行っても出会えない可能性が高いんですよ。
ここに行けば見つかる。
ここで探せば分かる。
CD屋がやってたことをやれる場所が無いんです。

ネットの情報量は尋常では無いですから、
まとめるのは不可能でしょう。
Bandcampやsoundcloudにある音楽をまとめるなんて無理無理。



どうしましょうかね?


いやホント答えが無いのでいろいろやってみるしかないんです。
とりあえず自分のブログで紹介して、
買ってもらう確立を上げるくらいしか思いつかなかったのでブログを始めたんです。
たいしたこと無い理由でしょ?

とにかくdepthqueuingを売りてぇ。
迷われレコードからリリースされたCDを売りてぇ。
ネットで活動してるミュージシャンのCDを売りてぇ。
自分の気に入った音楽に金を出して聴いて欲しい。

こんな欲求がありますが、
現状は年2回行われるM3に行くくらいしか無いんですよ。
M3でも会場広いから好みの音楽に出会えるか分かりません。

ま、とにかく思いついたことをやるしかないでしょう。
なので「ブログ頑張ります」としか言えんよなぁ・・・


現代の名盤『depthqueuing / For my adolescence』買おうぜ!
と、アマゾンのアフィリンクを貼る↓


あとデプQくん(←私しか使ってない愛称)が8月に上げた新曲も聴いてみましょう。
これも良いんですよー。

Surround / depthqueuing


元CD屋が見ているCD屋の現状

CDの売上が年々落ち込んでいることはたまにニュースになります。
実際に売場に立っていて実感するところでありました。

アイドルグループのCDは安定して売れるのですが、
音楽を売っているという実感は無く
イベント参加券かタレントグッズを売っている感覚でした。

音楽を求めてCD屋に足を運ぶ人が減っていることを感じていて、
音楽が好きな人に来てもらいたいと売場作りをしたかったのですが・・・

一番売上が取れるのが大手レコード会社の有名なヤツなので
そちらに力を入れざるをえない。
それすら十分な売場を作れないのに他のことをやってる時間があるか?
ということで全く他の売場に手を加えられないというのが現状です。
慢性的な人員不足も大きな要因ですね(人件費削りすぎなんだよ)。

音楽に関わる仕事がしたくてCD屋で働いてても、
好きな音楽をオススメすることができない。
そんな気持ちを抱えたまま仕事している店員だらけです。
特にJ-POP以外の担当は自分の担当エリアすら満足に見れない状態でした。
そうして知識のある店員が次々と辞めていくのです。
残るのは知識の無い店員。
さらに音楽好きの足が遠のいていく・・・

音楽好きが大手CD屋に足を運ぶ理由が無くなっているから
大手CD屋の売上が下がっているのではないかというのが私の意見です。
だって音楽売ってる場所のはずなのに音楽を売ってないんだもの。
安定して音楽好きも取り込みつつライトリスナーも獲得しているのは
中田ヤスタカ関連くらいですかね・・・
Perfume、きゃりーぱみゅぱみゅ。





上からの指示で作ってる売場のつまらんこと・・・
店員がつまらんと感じている売場をお客さんが面白いと思うわけ無いでしょう。

私は体調不良が原因で仕事を辞めたのですが、
仕事を続けていても改善されることは無いだろうなと思い、
回復を待たず退職したのです。





「長く愛されるものより消耗品」


音楽産業のみならず、あらゆるところでこうなっていると思われます。

消耗品のような音楽を聴いてる人は
音楽を掘り下げて聴くなんてことはしないでしょう。
そのミュージシャンにどんな影響があったのか、
どんな音楽を聴いてるのかなど掘り下げていって音楽の楽しさを知る人。
そんな音楽好きを育てなければ売上が上がることは無いと考えてます。

音楽の楽しい聴き方、接し方。
このブログでそんなことを伝えられたら良いなぁと思ってます。

そんなことを考えていると一つの問題が・・・



「ネットには音楽が溢れすぎている!!」



どこをどう探せば好みの音楽に巡り合えるか分からない!!
この現状もねぇ・・・何とかねぇ・・・

こういうブログで紹介されない限り、
ネット上でしか出回ってない、
ネット上でしか知られてない音楽に出会えないのですよ。

というわけで、次回はオススメのネットレーベルからCDを紹介します。
「迷われレコード」です。

2015年10月6日火曜日

ジャズを聴いてみませんか? V.A. / Late Night Jazz

ジャズ。

敷居が高いイメージがあると思うんです。
偉そうな評論家や評論家気取りが
あーでもねーこーでもねーと言ってるイメージ。
高そうなバーでかかってそうなイメージ。

でもね、音楽って楽しんだ者勝ちなんですよ。
イメージで手が出せないってのは勿体無い。

しかし、ジャズは100年近くの歴史があるので、
どこから手を付けて良いかわからないのもあるでしょう。

なので手ごろなお値段でゆったり聴けるジャズのCDをご紹介します。


V.A. / Late Night Jazz



まず、値段。
2015年10月6日現在で635円。
2枚組みでですよ。
日高屋の中華そば2杯分より安い!

で、肝心の内容です。

「だいたいこういう海外のオムニバスって曲数はいっぱいあるけど、
内容はたいしたこと無いんじゃないの?」

1曲目がマイルス・デイヴィスの『Roundabout Midnight』です。
もう、この時点で文句は言わせねぇぞという気合を感じますね。

ちょっとでもジャズを聴いたことがある方なら知ってる名前と曲がずらり。
タイトル通り夜に聴くしっとりしたナンバーが目白押し。
サックスもの、ピアノもの、ヴォーカルものとバラエティ豊かです。


○ちょいと個人的ピックアップ

エロール・ガーナー『Misty』
ピアノトリオものです。
ロマンティックな雰囲気がたまらないですねー。

チャーリー・パーカー『Stella By Starlight(星影のステラ)』
ジャズのスタンダードナンバーをアルトサックスで演奏しています。
夜空を飛んでいる心地よさ!

クリフォード・ブラウン『Stardust』
こちらも星空を連想させる優雅なナンバーです。
ブラウニーのトランペットにしびれます・・・



「ジャズってよくわからんけど、雰囲気いいなー」


って感じてもらえれば良いですね。


お酒を飲む方にはホントオススメです。
これかけるだけで良い雰囲気になりますからね。


この2枚組みオムニバスのシリーズ。
Not Nowっていうシリーズなんですけど、
いろんな音楽の入門にオススメです。
Not Nowシリーズはこのブログで紹介することが多いと思うので
ぜひチェックしてみてください!

始めに&説明

どうも、ソミスです。
 元CD屋です。 有名レンタル店、有名CD屋、地元のCD屋など 転々としてきました。

 思ったのです。


 「CD屋で好きな自分の好きなCDを売ることはできない」


 最近は忙しすぎて自分のコーナーを作ることも、
 場所を確保することもできず、 
不満が募りに募ってました。

 体調不良になり、CD屋を辞め、 テキトーに過ごしてきましたが、

 やはり自分の好きなものをオススメしたい (あとアフィりてぇ)

 そんな気持ちが頭をもたげ、ブログを始めることにしました。


 基本的にオススメするのはCDですが、
 映画もたまに見るし、ゲームもやるのでいろいろ紹介しようかなと。

 このブログで文章を書くにあたり、気をつけようと考えていることは
 「素人目線で頑張ろう」です。

 趣味への造詣が深い方が陥り易いことだと思いますが
 「知識が増えすぎて、精通してない人への説明が困難になる」
 自分の好きなCDをオススメしても「ああ、うん・・・」と苦笑いされる始末。 
若い頃にはよくありました・・・
そりゃメタル知らない人にメロスピだのメロパワだの、 
ガムラン知らない人にスレンドロ音階だのペロッグ音階だの、
 通じるわきゃ無いんです。
 CD屋店員だった頃に常に気を配っていたのは、
 「お客さんにとって新しい音楽を開拓しやすい売り場を作ろう」でした。
 音楽を聴く人が増えなければCDは売れません。
 売上を上げるには、顧客を増やさなければ。 
だから様々なジャンルの音楽ファンを増やさなければならない。
 そう考えて安いオムニバスの展開や、
 1000円以内で手に入る名盤のコメントを重視しておりました。

 このブログでは
 「手に取り易い価格の商品」
 「ほとんどの人が知らないこと」
 「俺が好き」

 この3つを主軸に音楽に限らずいろいろなものを紹介していこうと思ってます。

 基本的に文章は「すげぇ」「やべぇ」「かっけぇ」なのですが、 
できる限り見所、聴き所を紹介するつもりです。

 私の趣味の楽しみ方は『孤独のグルメ』方式なので、
 あんまり深く考えてないのです。
 「好みと味覚は一緒」 そう考えてます。

 なので「うん、こりゃうまい!」「そうそうこの味!」みたいな感じで
 「うわ、リフかっけぇ!」「そうそうこの分かり易い展開!」って感じ方こそが 
音楽や映画の楽しみ方だと思ってます。

 そんな気持ちが伝わるようにいろいろ試してみますので 宜しくお願いいたします。